インテル×起業家「新しい学び」共創プロジェクト

「インテル入ってる」でお馴染みの世界的 CPU メーカー インテル株式会社。実は彼らが日本の教育イノベーションを促進するために様々な取り組みを行なっていることはご存知だろうか?

『インテル×起業家「新しい学び」共創プロジェクト』とは?

グローバルで活躍する人材の育成やイノベーションを創出する人材の輩出等を実現するためには、既存の学校教育の枠を超えた「新しい学び」が今後ますます重要となります。インテルはこれまでに、児童・生徒のためのテクノロジー活用に重点を置いた教育プログラムの開発や、教員研修のための『Intel® Teach プログラム』の提供などを行って参りました。
今回、インテルは新たに、自社サービスにより「新しい学び」を展開する起業家を応援すると共に、ICT(=情報通信技術)の果たす役割や今後のコラボレーションの可能性について対談を行い、ICTを活用した「新しい学び」の更なる拡がりとイノベーションの実現を目指します。

オンラインだからできる「新しい学び」とは?

インターネットが学校になる――。

ネット上で様々な学習コンテンツを受講できるオンライン学習サービスが注目を集めている。中でも株式会社スクーが展開する「schoo WEB-campus」は、ユーザー参加型のオンライン学習サービスとして、わずか一年で大きな存在感を持つサービスに急成長している。こうしたオンライン学習サービスは、どのようなイノベーションを秘めているのか。インテル株式会社 イノベーション事業本部 江頭靖二 本部長が、株式会社スクーの森健志郎 代表取締役社長、中西孝之 取締役副社長とオンライン学習の持つ可能性について対談を行なった。

株式会社 schoo(スクー)

“世の中から卒業をなくす”がコンセプトの実名制オンライン学習サービス「schoo WEB-campus」(http://schoo.jp/)を運営しているスタートアップ企業。「schoo WEB-campus」では、大学教授や専門学校の教員ではなく、各業界の第一線で活躍するビジネスパーソンが講師として招かれ、授業のジャンルは多岐に亘る。授業はオンライン上で生放送され、質疑応答やブレインストーミングなど、オンラインならではの対話を重視したユーザー参加型の講座を特長とする。2012年1月のサービス開始以降、会員数は3万人を超えている。

1.教育をエンターテイメントとして位置づける

インテル株式会社 イノベーション事業本部 江頭靖二 本部長
江頭靖二(インテル株式会社)
「インテルは言うまでもなくテクノロジーの会社です。我々のテクノロジーをいかに活用してもらって、世の中をどう良くしていけるかが、インテルにとっての課題です。中でも、私たちが重視しているテーマのひとつに、教育があります。学校教育のあり方は、基本的に何十年も変わっていません。教壇に立つ先生が授業の中心となり、たくさんの生徒たちに知識をつめこむことで生徒の学習は受け身になりがちです。果たして生徒たちは自分たちの将来に役立つ必要なスキルを身に付けることができるのか、教育者はどのような教え方を実践するべきなのかを問うています。そのような課題への取り組みとして、インテルが推進しているのが『21世紀型スキル』と呼ばれる新しい学力観です。『21世紀型スキル』とはこれからのグローバル社会を生き抜いていくために必要なスキルとして注目されており、その効果的な習得を可能にする授業の作り方をまとめたものが『Intel® Teach プログラム』です」

森健志郎(株式会社スクー)
「スクーが提供している教育サービスには、今の教育に対する課題感より、むしろ『エンターテイメント』が根底にあります。きっかけになったのは、マイケル・サンデル教授の『ハーバード白熱教室』の映像です。サンデル教授が行なう対話型の授業が、純粋にエンターテイメントのコンテンツとして面白いと思ったんです。じゃあ、この授業をインターネット上で行なったらどうなるか。北海道に住む80歳のおばあちゃんから、沖縄にいる15歳の高校生までが、一つのテーマの授業を受けることになったらものすごく面白いんじゃないかという発想が、スクーのサービスを始めた原点なんです」

株式会社スクー 森健志郎 代表取締役社長
江頭
「教育をエンターテイメントとして位置づけるという発想が、スクーの新しさですね。80歳のおばあちゃんから高校生までが集まるという点も魅力です。これは企業も同じですが、同じバックグラウンドの似たり寄ったりな人だけ集めても新しいアイデアは生まれにくい。ダイバーシティ(多様性)をいかに取り込むかという観点からも、インターネット上の学校というのは大きな可能性があると思います」


2.様々なデバイスの登場で変わる学びのカタチ

株式会社スクー 中西孝之 取締役副社長


江頭
「これまでインテルは『21世紀型スキル』を推進するにあたって、公教育、特に学校を対象としていました。しかし、ICTが教育の場で活かされるのは学校だけではありません。景気の低迷、先行きの不透明感という今の社会情勢の中で、ビジネスマンも常に自分のスキルを上げていくことに強い意欲を持っています。そうした人たちに対して、オンラインで学びの場を提供することは極めて重要だと感じます。特に最近は様々なデバイスが登場しており、学びの場所やシチュエーションは大きく広がっています」

中西孝之(株式会社スクー)
「スクーでも、すべてのデバイスへの完全対応を進めています。また、学びを活性化させるために、授業のコンテンツを増やす以外にも、学校におけるクラスのようなコミュニティを提供することを考えています。授業だけではなく、人との繋がりから学んだり、刺激を受けたりできることが学校という場の魅力だと思います」


タッチパネルも、注目されているパーセプチャル・コンピューティングの一つ
江頭
「インテルはプラットフォーム側として、パーセプチャル・コンピューティング(音声やジェスチャーを使った操作)をはじめとする様々なテクノロジーをデバイスに実現しています。しかし、そればかりではなく、実際にサービスを提供される側の皆さまからも、様々な要望やアイデアをいただきたいと思っています。テクノロジーは活用していただいて初めて意味を持つものです。これからは皆さまからの要望に対するアプローチということをインテルとしても取り組んでいきたいと考えています」

「そう言っていただけるのは私たちのようなスタートアップにとっては大変心強いです。我々のようなインターネット企業は、アイデアやビジネスモデルやソフトウェアの部分は考えられますが、ハードウェアの部分には絶対に手が届きません。そのハードウェアの領域にイノベーションを起こしていくためには、インテルのように大きな力を持った企業が必要です」

3.「新しい学び」には無限の可能性がある

中西
「スクーでは、講師が授業を行なうスタジオも新設しました。自社でスタジオを持つことで、授業コンテンツの増加に加え、オンライン授業に最適化されたスタジオ運営というところも手掛けていければと思っています」

江頭
「教育コンテンツを充足させるための仕組みづくりはとても重要です。インテルでも、ICTを活用した授業を実施するための教員研修『Intel® Teach プログラム』を世界各国で展開しており、これまでに世界70カ国で1000万人を超える教員の方々に受講いただいています。日本での受講者はまだ4万人ほどですが昨年、埼玉県の教育委員会と合意し、今後3年にわたって埼玉県の多くの教員に『Intel® Teach プログラム』を受講していただく予定です。『Intel ®Teach プログラム』はインテルのCSR活動の一環で、授業もすべて無償で提供しているものですが、これからの教育を担う若い世代の先生方をICT支援できればと思っています」

2013 年 3 月から本格稼働する schoo の新設自社スタジオ予定地
インテルは schoo 新スタジオバックアップとして
SONY VAIO Tap 20(マルチタッチ対応のテーブルトップPC。)を機材提供



「スクーは、生放送とソーシャル性をかけ合わせたオンライン・ラーニングの場を一つのフレームワークとして提供したい。未来永劫、これが完全な正解ではないかもしれないけれど、新しいデファクトスタンダードになり得ると思っています」

江頭
「素晴らしいですね。インテルではskoool.com というヨーロッパやアフリカなどで展開している教育コンテンツサービスに協力しています。インテルが前面に出ることで、サービスへの信用度もたかまり、国レベルでの活用にも繋がっています。今後、スクーさんのプラットフォームを使わせていただきながら、新しいサービスを国内外で展開できれば面白いですね」

「インターネット放送は未だ黎明期と言われています。ネットワークの面でも、世の中に普及しているパソコンのスペックの面でも、まだ完全ではない段階。インテルさんの新しいUltrabook™のようにハイスペックなデバイスがもっと普及していけば、僕らサービス側としても今まで以上にリッチなコンテンツが提供していけるはずです。オンライン・ラーニングには無限の可能性があると思っています」
(ライター:大山貴弘)
(フォトグラファー:森本菜穂子)
インテル×起業家「新しい学び」共創プロジェクト